ボランティア活動推進7ヵ年プラン構想

( I )7ヵ年プランの性格

1 策定の目的・経過

 ボランティア活動推進7ヵ年プランは,平成5年(1993年)4月14日に告示された『国民の社会福祉に関する活動への参加の促進を図るための措置に関する基本的な指針(福祉活動参加指針)』を受け,広く,社会的にボランティア活動を振興するために,21世紀中に達成すべき目標,課題,戦略を明らかにしたものである。

 7ヵ年プランは,全国社会福祉協議会・全国ボランティア活動振興センター運営委員会などでの議論をふまえてまとめられた。全社協では,7ヵ年プランを中央社会福祉審議会地域福祉専門分科会において全社協からの提案として報告し(平成5年5月26日),その内容は,同年7月29日の審議会意見具申『ボランティア活動の中長期的な振興方策について』に大きく取り入れられている。

2 7ヵ年プランの性格・今後の展開

 7ヵ年プランは,ボランティア活動を社会的に推進するためには何が必要かという視点から,ボランティア活動に関わる様々な団体,関係者と共有しうる青写真としての性格を持つものとして構想され,提案されたものである。

 このプランの具体化にあたっては,ボランティア活動者はもちろんのこと,経済・労働関係者,学校関係者,マスコミ関係者等,ボランティア活動推進に関わる様々な社会的組織・関係者と協働し,推進・具体化を図っていくことが必要である。

 また,特にボランティア活動振興にあたって社会福祉協議会として達成すべき課題については,同時期に全国社会福祉協議会が作成した『ふれあいネットワークプラン21基本構想』に,7ヵ年プランの考え方を盛り込んでいる。それにもとづき,全社協としても社会福祉協議会としての活動・推進のノウハウなどを積極的に開発し,普及を図っていく。

( II )7ヵ年プランの内容

1 7ヵ年プランの構造

7ヵ年プランは,基本目標と3つの重点課題,4つの基本構想と構想実現のための施策,事業からなっている。

2 基本目標と3つの重点課題

 市民が,社会福祉を自らのものと考え,自ら活動に参加する中で学習し,自らの手で福祉をつくりあげていくことは,あらゆる人が安心して生活を続けていける地域社会の基礎をつくるものである。その意味で,福祉活動への市民の参加による参加型の福祉社会づくりは,社会福祉協議会の最も基本的な活動の原点であり,また,目標として,社会福祉協議会が長年取り組みを進めてきたものである。

 福祉活動参加指針の目指すものは,まさに参加型の福祉社会づくりであり,その実現のためには,国民の過半数が自発的に福祉活動に参加できるような環境づくり,支援が必要である。

 そこで,『国民の過半数が自発的に福祉活動に参加する参加型社会の実現』を基本目的とし,(1)誰でも,いつでも,どこでも,気軽に活動に参加できる環境・機会づくり,(2)ボランティア活動への世論形成,活動を支援する体制づくり,(3)推進拠点としてのボランティアセンターづくり,の3つを大きな重点課題とした。

3 4つの基本構想と実現のための施策・事業

(1) ボランティアアドバイザー,コーディネーター構想

 アドバイザー,コーディネーター構想は,活動を希望する人が身近な場所で相談に応じられるようにするアドバイザー,推進・受入れ機関で中核となって仕事を進めるコーディネーターを養成していく構想である。ボランティアセンターネットワーク整備構想が骨格であるとするならば,アドバイザー,コーディネーターはそれを支え,さらに社会の隅々にわたる神経・情報に相当する人のネットワークである。

 これからのボランティア活動は,社会福祉施設,社会教育,民間ボランティア団体などはもとより,企業・労組,学校,生協,農協などあらゆる組織がそれぞれ主体的に活動を推進していくものである。アドバイザー,コーディネーター構想は,このような多様な団体の主体的な取り組みを促進・支援する一方で,どのように有機的に協力・連携をして進めていくかという視点から着想された。職域・団体等の独自の取組みは,そこのコーディネーター,アドバイザーが担う一方,ボランティアセンターがコーディネーター,アドバイザーへの支援や協働活動を行なうことで,様々な団体との協力・連携を進めていくというものである。

■アドバイザー 30万人

 アドバイザーは,いつでも,気軽に,どんな人でもボランティア活動に参加できるよう,活動の意欲を持つ人の身近なところで気軽に相談に応じ,情報提供,活動のアドバイスを行なう。学校,職場,労組,ボランティアグループ,病院・施設,その他あらゆる地域社会,コミュニティで活動する。

 ボランティアセンターはアドバイザーに対する登録・支援システムを設け,アドバイザーに対する定期的な情報提供,研修,アドバイザーの連絡協議会の運営などを行ない,日常的な活動の支援や仲間づくりの支援を行なう。

■コーディネーター 3万人

 コーディネーターは,ボランティア活動の推進を行なう中核的な機関(ボランティアセンター等),団体(企業社会貢献推進室,住民参加型団体,社会教育施設・学校等),社会福祉施設等において,ボランティア活動推進のための企画,アドバイザーへの相談・支援,調査・研究,連絡・調整,開発業務等にあたる。身分は,常勤で設置される場合と,非常勤のボランティアによるものがある。

 ボランティアセンターはコーディネーターに対する登録・支援システムを設け,定期的な情報提供,リカレント(ステップアップ)研修,コーディネーター連絡協議会の運営などを行ない,活動を支援する。

 いずれも,研修カリキュラム・教材の開発,登録・支援システムの開発,活動に対する助成などを今後検討し,具体化していく。

(2) ボランティアライフサポートプログラム構想

 ボランティアライフサポートプログラム構想は,誰でも,いつでも,どこでも,気軽に,楽しく参加できるよう,ライフステージ,ライフスタイル,活動意欲,活動の段階に応じた多様な活動・学習の機会を開発し,提供していくものである。

 児童,青年,勤労者層,シニア層など年代別に,あるいは,休日・夜間,半日の活動,長期の休暇をとっての活動などのライフスタイルに応じて,また,初めての人の体験を狙いとした体験学習プログラムや日常的・継続的なサービス活動など,多種多様な活動の開発が求められる。また,精神障害者支援,不登校児童・家庭の支援,エイズ,在日外国人支援活動など,社会的なニーズに応じた新たな活動領域も広げていく必要がある。

 誰でも,気軽にできるような活動のメニューを豊富にしていくこと(きっかけづくり)と同時に,活動する人が意欲に応じて自ら学習し,自らの体験を深めていけるようなプログラム開発,支援という視点も重要である。

(3) 世論形成による評価の向上,社会的支援の体制づくり

 誰もがあたりまえのように福祉活動に参加する社会となるには,多様な形で社会的な評価が行われる必要がある。また,活動をする者や,推進する団体に対する活動の側面支援,資金調達・造成の拡大が必要である。

 まず,評価に関わっては,活動の経済・社会的効果の測定やPRなども含めた,ボランティア活動全体の社会的な意義を浸透させていくことが重要である。社会的意義の認識と活動する個人や活動・推進団体への評価・支援は表裏一体のためである。

 また,活動する者や,活動を推進する機関・団体に対して支援としては,「福祉活動参加指針」にもとづき,公費・地域福祉基金等の導入を図るとともに,企業,財団等の民間資金の造成,共同募金の活用,個人の寄付,その他の様々な支援の拡大が必要である。具体的には,活動を支援する支援・推進団体の組織化,ボランティアセンターへの基金設置,民間資金等の調達・寄附金の受入れ・斡旋の推進,活動の支援を促進するための税制改正,企業におけるボランティア休暇・マッチングギフト等の支援の推進,安心して活動できるためのボランティア保険の充実などが課題となる。特に,後のセンターネットワーク構想でふれるように,支援をするものと支援をもとめるものをつないでいくため,ボランティアセンターの登録・斡旋機能の充実が重要である。

 これらを推進していくためには,ボランティア活動団体,活動を推進・支援する社会的な組織,マスコミ等と協力し,共同の調査・研究にもとづく提言,徹底したPR活動の展開などが必要である。

(4) 市町村,都道府県,全国を結ぶ,ボランティアセンターネットワークの整備

 ボランティアセンターの全国的整備,重点事業の推進,ボランティアセンターの機能の拡充が柱である。

 現在,市町村では約1600のセンターがあるが,これを全市町村に拡大するとともに,都道府県,全国のセンターの機能の充実を図る。あわせて拠点としての設備・建物の整備が必要である。

 また,福祉教育・学習活動,企業・労組の社会貢献活動,勤労者のボランティア活動,住民参加型在宅福祉サービス活動は,全国どこの地域でも,それぞれの地域の特性にあわせて展開を進めていく基本的な事業として,重点事業と位置づけた。福祉教育・学習活動は,幼少期からのボランティア活動の体験と同時に,青年期,壮年期,高齢期まで,いつでも活動に参加でき,参加型社会を支える主体を形成するための基本的な活動である。企業・労組の社会貢献活動や勤労者のボランティア活動は,これまで活動への参加が最も薄い層の組織化という点と,大きな支援・推進者としての企業・労組との協働関係づくりという点から,新たな開拓が望まれる。また,住民参加型サービスは,大きな参加の裾野を広げるという意味と,新しい形態の民間の非営利活動の発展という側面から,大都市だけでなく,地方都市,町村部など地域の特性を活かした形で,強力な推進・支援が必要である。

 ボランティアセンターの機能の拡充では,ボランティアアドバイザー,コーディネーターへの研修,登録・支援機能の開発・整備,ボランティア活動をする者と支援をする者とを的確につなぐための登録機能の拡大・充実が必要である。

ボランティア活動推進7ヵ年プラン構想図

ボランティア活動推進7ヵ年プラン構想図

ボランティアコーディネーター,アドバイザー活動内容・支援体制

ボランティアコーディネーター,アドバイザー活動内容・支援体制

ボランティアライフサポートプログラム

《ねらい》

いつでも、どこでも、誰でも、気軽にボランティア活動に参加できるように、人々の活動・学習意欲、ライフステージにそったボランティア活動の機会、プログラムを提供する

ボランティアライフサポートプログラム

市町村、都道府県、全国ボランティアセンターの役割/機能

市町村、都道府県、全国ボランティアセンターの役割/機能

市町村ボランティアセンターモデル

市町村ボランティアセンターモデル
町村ボランティアセンターモデル