小地域ネットワーク活動とは
小地域を単位として要援護者一人ひとりに近隣の人びとが見守り活動や援助活動を展開するもの
1. 小地域ネットワーク活動の機能
- ニーズ発見システム
あらかじめ見守りが必要な人を選び、その人を中心に近隣でチームをつくり、常日頃から見守りを行い、生活や健康上の変化や気づいたことがあれば、連絡を行い、ニーズの発見を図る。 - 小地域たすけあいシステム
あらかじめ援助が必要な人を選び、チームをつくった上で、外出介助、身辺介助、友愛訪問、家事援助、入浴介助などの日常的で比較的軽微なサービス・援助、さらには、緊急時対応を行う。
2. 小地域ネットワーク活動の対象
- 自立度が低いひとり暮らし高齢者、障害者、高齢者夫婦世帯
- 要介護高齢者のいる世帯
- 幼い子どものいる父子・母子世帯
※潜在的な対象者には、広い見守りのシステムを組む場合がある。
3. ネットワーク構成の種類
- 対象者一人ひとりに対して、協力員(ボランティア)を2~5名程度が「見守り」と「たすけあい」を行うパターン
- (1)と同じだが「見守り」だけを行うパターン(援助は民生委員や社協・行政に連絡して行うかたち)
- 福祉委員などの名称で住民に依頼し、その福祉委員が数世帯から20世帯程度を担当し、「見守り」を行うパターン
- (3)と同じだが、福祉委員のもとにさらに協力する住民を依頼するパターン
- 地域ごとにボランティアのチームを組織し、社協などに連絡が入ったニーズに応じて、対応するパターン
- 地域ごとに、「友愛訪問員」などの名称で、住民に依頼し、安否確認のための定期訪問活動(見守り)を行うパターン
4. 小地域ネットワーク活動が必要とされる理由
- 在宅の生活を支えるには、在宅福祉サービスとともに家族・近隣住民などのインフォーマルな力が必要。そのインフォーマルな力の再編成、システム化。
- 加齢、障害を持つことなどにより、人間関係・社会関係が希薄になり、そのことが心身に大きな影響を与えている。これを回復し、維持することが必要。
5. 小地域ネットワーク活動の効果
- 地域で孤独になりがちな人に対して、協力員の精神的な支えがはかられる。
- 当事者の生活支援、介護などにより具体的に生活を支える。
- とくに介護保険、支援費制度の対象外の人あるいは対象外のケアで必要なものについて支援する。
- 「危険状態」を発見する。
6. ネットワーク活動推進上の留意点
- 住民の主体性の確保
- 専門職の位置づけ
- プライバシーの保護
- ネットワーク活動から出てきた課題の提起
- 民生委員・児童委員活動との連携
- ネットワーク活動対象者と近隣住民の意識
- ネットワークを形成できない要援護者への支援
- ネットワーク連絡会の活性化
- 他のインフォーマルな力との連携
- 介護保険事業等他サービスとの連携・分担
- 新たな活動を生み出す力
- 新たなサービスを提案する力