ボランティア・市民活動とは
~これから活動を始めようと考えている皆さんへ~
これからボランティア・市民活動を始めようと考えている皆さんに、ボランティア・市民活動で大切な考え方とポイントをお伝えします。
ボランティア活動・市民活動とは
ボランティア活動の明確な定義はありませんが、「自発的な意志に基づき他人や社会に貢献する行為」とされています。そして、特徴として「自主性・主体性」、「社会性・連帯性」、「無償性・無給性」があげられます。
ボランティア・市民活動は、自分の関心のあるテーマ、自分にできることからはじめられるという身近な活動です。そして、活動する人が自己実現をはかる活動であるだけでなく、活動をとおして市民のボランティア活動や社会貢献活動、福祉活動等への関心が高まり、ともに支え合う地域社会づくり、共生社会の実現につながることも期待されます。
市民活動は、ボランティア活動に加え、非営利のNPO活動などを含む活動で、社会的で公益的な活動とされます。
ボランティア・市民活動は、地域や社会をよりよくしていくことに役立つとともに、活動する自分自身も豊かにしてくれる力を持っています。
自分の意志で行う
ボランティア・市民活動は、誰かに強制されたり、義務で行ったりするものではなく、自分の考えで取り組んだり、既存の活動に参加したりするものです。だからこそ、多様な問題に柔軟に取り組むことができ、人の心に働きかける力を持っています。
自分のための活動ではないが、さまざまなことが得られる
ボランティア・市民活動は自分以外の他者や社会の利益のために取り組む活動です。対価を得ることや自分が満足することを目的とした活動ではありませんが、活動を通して、感動や喜び、発見、知識や技術、充実感や達成感などが得られたり、活動そのものから楽しみを得られたりします。人や社会との関わりから、多くの人と知り合ったり、協力したりすることで、幅広いつながりを得ることもできます。
既存の発想を超えられる創造的な取り組み
ボランティア・市民活動は自由な意志で取り組むものですので、すでにある仕組みや発想にとらわれずに、自分自身で何が必要とされるかを考えて活動することができます。
そうした取り組みから、新しい社会の仕組みや新しいサービスなどが生まれることもあります。
多様なボランティア・市民活動の例
ボランティア・市民活動にはさまざまな活動があります。活動の分野や領域は広がっており、活動形態も多様になっています。
福祉の分野では、住みやすいまちづくりをめざす活動が各地で進められています。以下は、活動のほんの一例ですが、参考としてください。
支援を必要としている人に寄り添う活動
一人暮らしの高齢者、障害のある人を対象とした生活支援活動や見守り活動、子育て中の家族の交流の場づくりや地域で孤立しがちな人のための居場所(サロン)の提供、身体の不自由な人の移動の支援、点訳・朗読・手話などのコミュニケーション支援活動など
子どもや青少年等を対象とした活動
レクリエーション活動、スポーツ教室、野外キャンプの指導、学習支援、子ども電話相談、子どもたちの学びや遊びの支援、こども食堂の開設など
災害で被災した方を支援する活動
被災地での活動(家屋の片づけ等、困りごとへの対応、被災者の交流等の支援、コミュニティの再生支援など)
被災地外での活動(募金、広域避難者の支援など)
地域活性化をめざした活動
仲間づくり活動、交流イベントの開催、スポーツ・地域行事の運営支援、地域の交流の場・居場所(サロン)づくり活動など
自然や環境を守るための活動
森林や海辺の清掃・環境保護活動、リサイクル活動、動物保護など
芸術・文化
美術館や博物館での活動、伝統文化の継承・普及など
安心・安全なまちづくり
悪質商法からの被害防止、防犯、交通安全など
国際交流・国際協力・多文化共生
多文化共生、在留外国人・外国にルーツのある人への支援活動・交流活動、支援が必要な海外の国や地域への援助、災害時の支援活動など
その他
募金活動、ICTを活用したコミュニケーションの支援(パソコンの設定や操作指導)、路上生活者への支援など
ボランティア・市民活動で知っておきたい5つのポイント
ボランティア・市民活動をする際にはどのような点に気をつければよいでしょうか。知っておくと役立つ5つのポイントを紹介します。
POINT 1興味や関心がある身近なことから始めよう!
せっかく取り組むのであればなるべく継続したいものです。興味や関心のないことから始めても長続きはしません。興味や関心があり、やってみたいと思う活動から始めましょう。
POINT 2無理をしない!
最初から欲張ってたくさんのことをしようとせず、余裕をもってできる範囲から始めましょう。
POINT 3約束やルールは必ず守ろう!
活動には多くの人が関わっています。約束やルールは必ず守りましょう。また、活動上で知った個人情報などを守ることも大切です。
POINT 4相手や関係者の立場を尊重しよう!
ボランティア・市民活動では、さまざまな立場や思いの人たちが、さまざまな役割で関わります。相手を尊重しお互いに連携しながら、効果が上がるように活動しましょう。
POINT 5保険にご加入ください!
注意していても、ボランティア・市民活動中に事故が起こってしまうこともあります。万一の備えとして、ボランティア活動保険に加入してください。保険は自らを守ることだけでなく、活動の対象者の安心にもつながります。
ボランティア活動保険は低額で加入できます。お申し込みは最寄りの市区町村社会福祉協議会(ボランティア・市民活動センター)までお問い合わせください。
ボランティア活動保険の詳細はこちらをご覧ください
※地域により補償内容・保険料が若干異なります。詳しくは最寄りの市区町村社会福祉協議会にお尋ねください。私のボランティア体験
気軽に始められそうなものから、少し勇気がいるものまで。実際にボランティアを体験した方からの声をご紹介します。
高齢者デイサービスセンターのイベントをサポート(20代・男性)
デイサービスセンターの利用者が、お花見などのイベントに出かける際のサポート活動をしています。最初の私の対応が悪かったのか、私が担当したある方は、他の人にはニコニコしているのに私にはまったく挨拶してくれず、とても悲しい思いをしました。それでも職員の方から励まされ、めげずに挨拶をしつづけていたところ、ある日、「寒くないかい?」と声をかけられました。本当にうれしかったです。やめないでよかったと思いました。
東日本大震災でガレキ撤去に参加(40代・女性)
東日本大震災の被災地でガレキの撤去をしていたところ、家の方がガレキを名残惜しそうに見つめていました。その姿を見て、たとえガレキに見えるものでも住んでいた方には大切な思い出であることに気づき、丁寧に扱わなければと心から思いました。はじめてのボランティアで当初は不安が大きく、「何もできないのではないか」と思っていましたが、実際の活動から「動けば何かはできる」と実感。今後も継続して被災地の力になれたらと思います。
子どもたちと里山保全の活動に参加(30代・男性)
児童養護施設の子どもたちと一緒に里山保全の活動に参加しました。森の間伐の手伝いやゴミ拾いなど里山の自然を守るだけでなく、落ち葉で焼き芋をする楽しいイベントもありました。自然とふれあい、思いっきり楽しんだ子どもたちは、みんな表情が生き生きと輝いていました。ボランティアは自分たちも元気になれる活動だと実感しました。その楽しさを他の人とも共有できるよう、これからも参加を続けたいと思います。
社会福祉協議会 ボランティア・市民活動センターに相談してみよう!もご覧ください。